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日本のマスコミ 新聞各社の社説

武器の提供 なし崩し拡大を危ぶむ
2022年4月30日 5時00分 朝日新聞
 ロシアの侵略は断じて許せず、各国と協調して、ウクライナを支援するのは当然だ。ただ、前例のない戦争当事国への装備品の提供である。より丁寧な説明と手続きの透明性が求められる。ましてや、これを機に武器輸出の原則をさらに緩めようとすることは容認できない。
 ウクライナ側からの要請を受け、政府は先月、防弾チョッキやヘルメット、テント、非常用糧食などを送った。今月はさらに、化学兵器に対応する防護マスクや防護衣、ドローンを追加すると発表した。
 ドローンは米国などが提供している攻撃用とは異なり、武器は積めず、搭載するカメラで状況把握に用いることが想定されている。とはいえ、現地では、ロシア軍の位置を探るのに使われ、攻撃に役立てているともいわれる。身を守るための防弾チョッキや防護マスクとは、性質が違うことは否めない。
 日本は「武器輸出三原則」の下、半世紀にわたり、武器の輸出を原則禁じてきた。だが、第2次安倍政権が2014年、これに代わる「防衛装備移転三原則」を制定。(1)紛争当事国などを除く(2)輸出を認める場合を限定し、厳格に審査する(3)目的外使用や第三国移転に事前同意を義務づける――を満たせば、輸出が認められるようになった。
 ウクライナは戦争下にあるが、新三原則が輸出を禁じる紛争当事国の定義は、国連安全保障理事会の措置を受けている国のため、当たらない。ただ、輸出を認める事例を具体的に列挙した運用指針のいずれにも該当しないため、政府は急きょ、指針を改め、ウクライナ支援の項目を追加した。また、ドローンについては、市販品を購入したもので、そもそも三原則の対象にならないと説明した。
 今回の支援の内容が国民に理解されたとしても、今後、指針の変更という同様の手段で、なし崩しに対象が拡大することにならないか。朝鮮戦争時の北朝鮮と湾岸戦争時のイラクしか当てはまらない紛争当事国の定義は適切か。国会での徹底した議論を求めたい。
 自民党が今週、岸田首相に提出した安保提言には、反撃能力の保有などとともに、新三原則の見直しが盛り込まれた。ウクライナを例示し、「国際法違反の侵略を受けている国に対し、幅広い装備の移転を可能とする制度」の検討を求めている。殺傷能力のある攻撃兵器も提供できるようにする狙いだろう。
 日本の平和主義の根幹にかかわる重大な方針転換を認めるわけにはいかない。現下の国際情勢を直視しつつも、中長期的、総合的な視点にたった冷静な議論こそが必要だ。

ウクライナ侵攻と世界 「暗黒時代」招かぬために
毎日新聞 2022/4/30 東京朝刊 
 世界は歴史の分岐点にある。大国が小国を力で支配する弱肉強食の時代に戻るか。どんな国も主権が尊重される共存共栄の道を進むか。ロシアによるウクライナ侵攻が突きつけている。
 植民地獲得に列強がしのぎを削った20世紀の二つの大戦は、世界に甚大な被害をもたらした。大規模な空襲は都市を破壊し、罪のない大勢の市民の命を奪った。
 戦後、教訓は生かされる。国際法の下に領土拡張主義を否定し、人道主義を尊び、協調主義を重んじる。私たちの時代をかたちづくる国際秩序である。
 それを破壊しようとしているのがロシアのプーチン大統領だ。ウクライナの「解放」を名目に侵略し、人道を顧みず、核で威嚇し、国際社会の批判に耳を塞ぐ。
 空爆で崩壊した病院、地下鉄の駅で肩寄せ合う避難民、民間人の大量殺りく……。大国による暴力がもたらした現実だ。
均衡破れた大国間関係
 21世紀の今、これほど残忍な戦争が起きたのはなぜか。
 ウクライナは歴史的にロシアと一体だと主張するプーチン氏が、米欧の勢力圏に入ることを力ずくで阻止しようとしたという。
 だが、軍事作戦は失敗を繰り返し、米欧の結束を促した。武力の威圧だけで降伏させるのが当初の戦略だったという見方もある。自ら孤立を招き、政治的にも経済的にも苦境に立たされている。
 ウクライナを支援するバイデン米大統領は「代償は高くつく」と警告し、経済制裁を持ち出して侵攻を思いとどまらせようとした。
 その壁は容易に突破され、全面侵攻を許した。ウクライナが団結して抵抗する中、軍事支援は後手に回り、米国の指導力を疑う声すらあがった。
 米露の誤算と失敗は、戦争予防の役割を果たしてきた大国間の均衡が破れ、重心を失った世界の現状を浮き彫りにした。
 「ウクライナ後」は見通せない。しかし、危険な状況をそのままにしておくなら、待っているのは背筋が凍る光景だ。
 各国が軍備を増強し、核兵器を持とうとする国が相次ぐ。陣地を広げる膨張主義が横行し、小国の主権は奪われる。不信と恐怖が支配する「暗黒時代」である。
 強大な国々が群雄割拠する無秩序なジャングルに逆戻りすることはあってはならない。
 安定した国際秩序を再構築するのは容易ではないだろう。それでも、いくつかの教訓から新たに取り組むべきことはある。
 米国は冷戦後、自国の経済的利益を追求する一方、長引く対テロ戦争に国力を奪われ、世界を安定に導く戦略を欠いた。台頭する中国と復活するロシアのはざまで影響力は低下している。
 とはいえ、グローバルな秩序を主導できる国は米国以外に見当たらない。日本などの同盟国や友好国が下支えする必要がある。
「協調の秩序」に向けて
 本来、世界の安定を担うのは国連である。だが、その中核の安全保障理事会の機能不全は深刻だ。紛争解決に向けた仲介機能の強化や再発防止のためのルールづくりなどの改革が求められる。
 多国間の地域的な枠組みの重要性も増すだろう。アジアにも欧州にも安全保障や経済を話し合う場が多くある。重層的に活用すれば、国連を補完する安定装置となるはずだ。
 世界の分断はより深まった。大国の中国やインドはロシアを非難せず、米欧の経済制裁に距離を置く。国際規範を重視すると言いつつ実利を優先させている。
 だからといって、ロシア側に押しやるのは賢明ではない。戦争の理不尽さを説き、米欧が主導する国際社会のシステムを再認識するよう説得すべきだ。
 東南アジアや中東などの新興国や途上国の多くは中立的だ。侵攻を違法と思いつつも、対露制裁で経済が打撃を受けている。
 安定した秩序の構築にはこうした国々が不可欠だという認識を大国は持っているだろうか。国際社会が結束して手を差し伸べることが協調を強める。
 不信ではなく、信頼に基づく社会。緩やかなかたちでも協調を追求する社会。この目標に近付く努力なしには、安心して暮らせる世界は望めない。
 ルールに基づく秩序は普遍的な条理である。戦後、この恩恵を受け、成長を遂げてきた日本が果たすべき責任は大きい。

女たちが聞く軍靴の音 戦争と平和を考える
2022年4月30日 05時05分 (4月30日 05時05分更新) 中日新聞
 沖縄の人々にとって、春から夏にかけた今ごろは、一年でとりわけ心が痛む季節といわれます。
 アジア太平洋戦争末期の一九四五年、沖縄では激しい地上戦がありました。敗色濃い日本は沖縄を本土決戦の捨て石とし、住民を根こそぎ動員。米艦隊は「鉄の暴風」のごとく砲弾を撃ち込み、県民約十五万人が犠牲になりました。
 そんな惨禍から七十七年後の今年始まったのが、ロシアによるウクライナとの戦争です。
 日本政府はウクライナから脱出した避難者の受け入れを決め、那覇空港にも今月十日、戦火を逃れた避難者が到着しました。
 街が破壊され、罪のない市民が犠牲になる。高校教師の伊波(いは)園子さん(37)=写真=は三歳になったばかりの幼い娘を抱き締めながら日本にたどり着いた人々の苦しみを思い、その一方で「顧みられない側」の命を考えていました。
 ミャンマーの軍事政権下で弾圧される市民や地域紛争が続く中東やアフリカ、政府軍と反政府派との内戦が泥沼化するシリアの人たちです。ウクライナの人たちと同じような支援をしてきたか、避難者を受け入れ、戦争と弾圧に「反対」と声を上げてきたか、と。
 伊波さんは、口にするのはつらいけれど、沖縄もまた顧みられない側にあると思っています。
 沖縄は日本の独立回復後も本土とは切り離され、米軍の統治下に置かれました。七二年にようやく日本に復帰しましたが、米兵による犯罪や事故は絶えず、なお戦中のようです。伊波さんも本当の「戦後」をいまだ見ていません。
刻み込まれる被害記憶
 沖縄では身近な土地や地名に戦争や米軍の事件、事故による犠牲の記憶が刻み込まれています。
 伊波さんの地元うるま市の宮森小では五九年、米軍ジェット機が墜落し、児童や住民十八人が犠牲になりました。伊波さんが小学五年生だった九五年、一学年上の女児が三人の米兵にレイプされる事件が起き、二〇〇四年には友人も通う沖縄国際大に米軍ヘリが墜落。一六年には米軍関係者が二十歳の女性をレイプし、殺害する事件がありました。
 最近では米軍基地から有毒物質「有機フッ素化合物PFAS」の流出が確認されています。早朝でも夜でも授業中でも、ごう音を立てて飛ぶ米軍機を伊波さんはにらみつけ、生徒の生活や学びに悪影響が出ることを心配しています。
 日本政府は、こうした沖縄の苦悩に目を向けないどころか、沖縄を有事体制の最前線に組み込もうとしています。沖縄が「顧みられない側」にあるという伊波さんの思いは、沖縄が再び戦場になる恐怖と結び付いているのです。
 普天間飛行場の代替施設として名護市辺野古に建設中の米軍新基地だけではありません。鹿児島から沖縄までの南西諸島の島々で、自衛隊基地が築かれています。うるま市勝連の自衛隊分屯地には南西諸島のミサイル防衛(MD)を指揮する拠点計画があります。
 中国や北朝鮮への備えが名目ですが、自民党政権はロシアによる戦争を機に、軍備増強へのアクセルを踏み込んでいます。
 基地反対運動への締め付けも強めています。
 辺野古のキャンプ・シュワブゲート前などで機動隊員が市民を抑え込んだり、監視や取り締まりの対象にしたりしてきましたが、自衛隊も、警察や米軍と連携して対処する事態に反戦デモを加えていたことが、防衛省の作成資料から発覚しました。反戦運動に加わる市民を敵視することを隠そうともしない。軍靴の足音は確実に近づいています。
 ウクライナで起きていることは決して人ごとではありません。日本でも世論が軍備増強一色に染まるのは危険です。不安を政治利用する人もいるでしょう。
沖縄再び戦場にしない
 沖縄県内の研究者らの呼び掛けで一月に発足した「ノーモア沖縄戦 命(ぬち)どぅ宝の会」共同代表の宮城晴美さん(72)=那覇市=は「軍隊は決して住民を守らない、というのが沖縄戦や戦後沖縄の教訓です。軍隊が駐留すれば攻撃の標的になる可能性が高まります」と語ります。
 宮城さんは言います。
 「沖縄を二度と戦場にしない。加害の島にもしない」
 その切なる願いに応えるのは、沖縄に米軍基地の痛みを押しつけ平和な暮らしを享受してきた、大多数の日本人の責任ではないでしょうか。


新聞社の社説を読みながら「日本は本当にこのままで大丈夫なのか」と不安になります。

日本の隣国である支那はチベットやウイグル、

ロシアはジョージアやウクライナに軍事力を背景に領土拡大を続けています。

北朝鮮は自衛のためとはいえ国連決議を無視して核兵器を所持しています。

韓国は反日を掲げて建国した国で、日本の領土である竹島を不法占拠しています。

支那とロシアは度々、日本の領海・領空に許可なく侵入し、

北朝鮮は日本の領海内やEEZ内にミサイルを撃ち込んできます。


当然ながらこれらの国々との紛争は避けたいとは思いますが

相手から侵攻された場合、日本は大丈夫なのでしょうか。

日米安保条約があるからといっても、本当に信用できるのでしょうか。

ウクライナは旧ソ連時代の核兵器放棄を条件に

ブダペスト覚書で安全保障が約束されていましたが

それに調印したロシアに侵攻され、アメリカもイギリスも

ロシアの侵攻に対し派兵はしてくれていません。

ロシアとウクライナはミンスク議定書によりドンバス地域での

停戦を約束していたにもかかわらず、戦闘は続いていました。

日本も先の大戦ではソビエト連邦との間に中立条約を結んでいましたが

ソ連はそれを破棄して日本に侵攻し、大勢の日本兵はシベリヤで強制労働が課され

現在も北方領土はロシアに不法占拠されています。

支那はウイグル侵攻チベット侵攻だけでなく、天安門事件での民間人虐殺や

香港返還時にはイギリスとの約束を破棄して香港を共産化しています。

今も新疆ウイグル自治区ではウイグル人の人権弾圧が続いています。


憲法第9条の精神を日本人は幼少期から叩き込まれているため、

日本が率先して他国に侵攻しようなどと考える人は皆無だと思います。

しかし、憲法第9条は日本の対外侵攻を禁じるものですが

他国の日本侵攻を食い止めることはできません。

また、日米安保条約もアメリカ軍の日本駐留を許しているだけで

日本の有事の際、アメリカ軍が率先して日本を守ってくれるものではありません。

日本も他国から侵攻された場合、ウクライナのようになると思います。

レイプや虐殺を避けるため、女性や子供を海外に避難させ、

自国の戦力で防衛するしかないと思います。

常任理事国の支那やロシアからの侵攻の場合、国連は機能しないため

世界各国からの武器、資材等の援助しか期待はできないでしょう。

自衛隊の強化も必要でしょうし、同盟の強化も必要でしょう。

アメリカからの核兵器の貸し出しも検討しておくべきだと思います。

日本の周りには理屈が通じない国家ばかりなのですから

理屈ではなく防衛力も必要だと思います。

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