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輸出40%減 EV時代に逆行した自動車大国ドイツが「欧州の病人」と化した三つの理由

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記事入力 : 2023/08/20 16:47
輸出40%減 EV時代に逆行した自動車大国ドイツが「欧州の病人」と化した三つの理由
 「ドイツ社会全体があまりに世間を知らず、純真でした。自分たちの前に変化が迫ってきたのに、皆、それを理解しているのかどうか分かりません。今直面している問題は、これまで累積してきたものなのです」
 ドイツに本社を置く世界最大の化学メーカー、BASFのマーティン・ブルーダーミューラーCEO(最高経営責任者)は最近、ブルームバーグのインタビューでこのように語った。世界の主要国が新型コロナのパンデミックやウクライナ戦争などのショックに耐えて立ち上がる中、独り沈滞の沼にはまっているドイツは、今や「欧州の病人」扱いを受け、心配の種として浮かび上がっている。製造業の革新を主導して世界の産業化の心臓である役割を果たしてきたドイツ経済が泥沼にはまり込んだことを巡っては、大きく三つの点が敗因として挙げられる。過度の中国依存、脱原発一辺倒で推し進めたエネルギー政策、そして主力産業の競争力で後れを取っていることだ。
(1)高すぎる中国依存度
 かつてドイツ経済は、競争力の高い輸出企業のおかげで、外部からの衝撃が来ても急速に回復する恐るべき弾力性を示していた。中国経済が高速成長していた2000年代には、特にそうだった。ドイツ経済に活力を与えていた中国との貿易規模はますます増大し、この7年間、中国はドイツの最大の貿易相手国だった。ドイツの対中交易規模は、2021年の2450億ドル(現在のレートで約34兆7300億円。以下同じ)から、22年には3178億ドル(約45兆500億円)と30%も増え、依存度は一層高まっていった。
 だが今や、中国を主要パートナーにすることはドイツにとって「毒」となった。今年初め、中国が新型コロナによるロックダウンを解除してリオープニング(経済活動再開)に乗り出し、その最大の恩恵はドイツが受けるとの見方があった。しかし、そうした期待は見事に外れている。中国の回復傾向は顕著なものではなく、依存度が高いドイツ経済が直撃弾を浴びたのだ。最近、国際通貨基金(IMF)が主要国の中で唯一、ドイツの今年の成長見込みを引き下げたのもこれが理由だ。
(2)エネルギー政策の失敗
 昨年始まったロシア・ウクライナ戦争は、ドイツ経済が持つ構造的問題を如実に見せつける契機となった。戦争直前、ドイツは天然ガスの55.2%、石炭の56.6%、石油の33.2%をロシアから輸入していた。しかし戦争で西欧はロシア制裁に乗り出し、ドイツはロシア産エネルギーの利用を突如として中止しなければならなかった。
 ドイツは過去およそ10年間にわたり脱原発を推進してきたが、その渦中で突如ロシア産エネルギーの供給中断という事態に見舞われ、昨年、電気料金が10倍に暴騰するなどエネルギー危機に直面した。ドイツは最近、最後に残った原発すら稼働を停止し、今では発電原価が高いエネルギー源で電力を生産しなければならない。ドイツの産業用電気料金は、ドイツを除く他のG7(先進7カ国)に比べ2.7倍も高い。高価な電気料金は製造原価に跳ね返り、輸出競争力の低下は避けられない。
(3)後れを取っている主力産業の競争力
 「技術のドイツ」の誇りにして最大の輸出品目である自動車産業は、最大の危機にある。長い間、ドイツ車は内燃エンジン車時代をけん引していた。だが新たな流れとなった電気自動車時代においては、劣等生に近い様相を見せている。
 市場調査機関SNEリサーチによると、昨年の電気自動車市場のシェアは米国のテスラ(16.4%)、中国のBYD(11.5%)、中国の上海汽車(11.2%)に続き、ドイツのフォルクスワーゲンが4位(7.2%)だった。ドイツは昨年265万台の自動車を輸出したが、これは頂点だった2016年の441万台に比べ60%の水準に過ぎない。フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは今年7月、内燃エンジン車から電気自動車先導企業へと転換するには困難があるとし「屋根が燃えている」と語った。時代の変化に素早く対応できないドイツ産業の危機をあらわにする一断面だ。
金垠廷(キム・ウンジョン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 Copyright (c) Chosunonline.com


欧州メーカーのトヨタ潰し策として、エンジン車を廃止し

EV車への転換をEUが推し進めましたが、

テスラをはじめ、支那や韓国メーカーが便乗したため

第三勢力に市場を先取され、思惑通りにはいかなかったようです。

最近になってフォルクスワーゲンはエンジン車の製造廃止を取り下げ

製造継続を打ち出しましたが、これが欧州メーカーの販売戦略の変更なのか、

EV車普及の限界を察知したものなのか興味深いです。


トヨタ自動車の販売戦略においてEV車は製造車種の一部に過ぎず

エンジン車、ハイブリッド車、燃料電池車など

様々な方向性を持たせており、技術開発には余念がありません。

トヨタのEV車出遅れについてはリチウムイオンバッテリーが持つ

安全性や航続距離などの大きな問題を危険視したため

その欠点が克服できる全固体電池でのEV車市場参入を目論んでいました。

しかし、テスラや支那企業が予想を超える早さでEV車を普及させたため

トヨタも仕方なく当初の予定を前倒しにしてEV車市場に参入しました。

支那や韓国ではトヨタが出遅れたと喜んでいますが

自動車リサイクル法に縛られる日本メーカーにとって

リサイクル方法が確立していないリチウムイオンバッテリーの普及は

企業のリスクになるため仕方なかったものと思います。


韓国メーカーはエンジン車市場で日本や欧米車には勝てないため

EV車の普及に会社の将来を賭けて販売を促進しているようですが

廃車となったEV車のリサイクルや全固体電池へのシフトなど

今後の課題は山積しているため、独国を笑っている暇はないと思います。

現在、現代自動車は業績が好調なようなので、

自車が販売したEV車のリサイクル方法を

責任をもって開発しておくべきだと思います。

結局は独国も韓国も支那への輸出に依存したことを反省すべきで

依存する相手も悪かったのですが、依存体質はもっと悪いと思います。

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후쿠자와-福泽-福沢

日本や隣国の情勢を日記に書きとめています。