【コラム】台湾海峡の危機高まる、韓半島への飛び火に対応を
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2023.04.20 11:530
馬夫大が率いる清国の先鋒騎馬隊が凍結した鴨緑江(アムノッカン)を渡ったのは1637年1月3日のことだ。清軍は朝鮮軍が守る山城ではなく南に向かった。そして5日後に首都の漢陽(ハンヤン)に入った。17世紀版「電撃戦」だった。
侵攻の報告を受けて江華島(カンファド)で避難しようとしていた
仁祖は清軍に道がふさがれると南漢山城(ナムハンサンソン)に方向を変えた。そして1カ月間ほど籠城したが、2月24日に降伏した。勤王軍が清軍にすべて敗れ、食糧もなくなったうえ、鳳林大君など王室が避難した江華島が陥落したことが伝えられ、抗戦の意志を失った。
◆中原征服に先立ち朝鮮半島を攻撃
仁祖は清の太祖に三田渡(サムジョンド)で会い、
3回ひざをついて9回頭を下げた。臣下が皇帝に礼をする儀式だった。そして清の衣服に着替えた後、清軍のための宴を開いた。
清の太祖は朝鮮の捕虜1万人と共に撤収した。この時、捕虜は仁祖を見ながら「王よ、私たちを捨てて行くのか」と泣き叫んだと『仁祖実録』は伝えている。歴史に記録された
丙子胡乱の顛末だ。
当時、清が朝鮮に侵攻した理由として多くの点が挙げられるが、明を本格的に征服する前、背後の朝鮮を安全地帯として確保しようという清の戦略的な意図が最も大きかった。そして丙子胡乱の7年後、明は滅亡した。
中国の歴史では、全面戦争前の事前整地作業として朝鮮半島の国家と戦争をした事例は丙子胡乱だけでない。漢の武帝は匈奴征伐の過程で古朝鮮に侵攻した。元は高麗を先に服属させた後に南宋を整理した。
歴史を振り返ったのは、最近の台湾海峡での事態を眺めながら感じた妙な既視感のためだ。台湾の危機は朝鮮半島に飛び火する可能性が非常に高い。
今月初め台湾の蔡英文総統とマッカーシー米下院議長が米国で会談すると、中国は報復レベルで8-10日に「台湾包囲」軍事訓練を実施した。昨年8月に当時のナンシー・ペロシ米下院議長が台北を訪問した当時も、中国は1週間、台湾周辺で弾道ミサイルまで動員して最大規模の武力示威をした。
中国が16-18日に台湾周辺に飛行禁止区域(NFZ)を設定すると発表し、緊張感は一触即発状態となった。そして中国がNFZ設定時間を16日に一日27分に減らすとし、事態は落ち着いた。
中国は今すぐにも台湾を相手に統一戦争をしようというわけではないようだ。しかし開戦予想時点を未来に置くとその可能性は高まる。11日に3日間の大規模訓練を終えた中国が「戦う態勢ができた」と宣言したのは尋常でない。
今後、台湾海峡で双方が衝突すれば、米国は間違いなく台湾を支援するはずで、日本も加勢するだろう。米国のバイデン大統領は「台湾に戦争が起きれば介入するのか」という質問に3度も「そうだ」と答えた。バイデンの基調に対して米国の与野党に隔たりはない。米国が台湾での戦争に介入する場合、米国の同盟国である韓国が中立を守るのは容易でないというのが大多数の専門家の見方だ。
米戦略国際問題研究所(CSIS)は各界専門家を集めて台湾戦争のウォーゲームを行った。CSISは米国が在韓米軍の4個戦闘飛行大隊のうち2個大隊を台湾に送ると設定した。先月の米議会公聴会では、在韓米軍が中国・台湾戦争に動員されることを韓国政府は許容する準備ができているのかという質問が出てきた。
米国としては中国・台湾戦争に在韓米軍の投入が事実上避けられない。中国と近く台湾とも遠くない朝鮮半島には地上軍を中心に2万8500人の米軍が駐留しているからだ。さらに地上軍の核心の米陸軍第2師団は輸送機で緊急空輸が容易な
ストライカー装甲車を中心に構成されている。
韓国は在韓米軍の「戦略的柔軟性」に対して両国の協議事案という立場だが、米国内部では米国独自の権限とみる声が聞こえる。
さらに大きな問題は、中国が在韓米軍の台湾投入を戦略的定数と考えるケースだ。中国の戦略家なら台湾との戦争で在韓米軍定数を相殺するカードを苦心するだろう。漢・元・清のように朝鮮半島には侵攻はできないが、中国は代わりに北朝鮮に戦争を煽る可能性がある。中国が北朝鮮に油類と食料を与えるという条件でだ。
全面戦争ではないとしても北朝鮮は強力な局地挑発や武力衝突、大規模ハッキング、無差別テロなどで中国を戦略的に支援する可能性がある。いかなる形であれ、朝鮮半島に戦争に近づいて在韓米軍に足かせをかける場合、北朝鮮は中国のために役割を果たしたことになるからだ。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は19日のロイター通信のインタビューで「韓国と在韓米軍は中国と台湾の有事の際どんな役割をするのか」という質問に対し、「全般的な安保状況を考慮するが、最も緊急な関心事はこの状況を利用しようとする北の軍事行動だろう」と答えたのもこうした見方のためとみられる。
◆尹大統領、「全世界的な問題」と規定
尹大統領は「一方的に現状を変えようとするいかなる試みにも断固反対する」とし「台湾問題は単純に中国と台湾の間の問題でなく、北と同じく全世界的な問題」と強調した。台湾問題での中立は結局は中国側に立つことだと認識したものと解釈される。中国が有事の際、北朝鮮カードを取り出すのではという心配が杞憂であることを望む。丙子胡乱の教訓を誤読してはいけない。天下が明(米国)から清(中国)へ移ること知らなかった朝鮮(韓国)の敗着を今に代入したものだ。
清軍は丙子胡乱の18年前の1619年、遼東の
サルフ戦闘で約10万人の朝明連合軍を撃破した。明はその後、政治的な混乱期に入って国運が衰えた。1637年と2023年は状況と脈絡が全く異なる。
イ・チョルジェ/外交安保部長
「朝鮮の味方をすると戦いで必ず負ける」とか
「韓国は戦争で勝ったことがない」言われており
対外戦争において朝鮮民族は貧乏神のような存在なのです。
そのため、万が一、台湾有事の際にも韓国軍に協力要請は絶対にせず
韓国はただ北朝鮮を睨みつけていればいいと思います。
支那が台湾に軍事侵攻し、米国が参戦した時点から第三次世界大戦がはじまり
世界中が戦渦に包まれることになります。
その際にも韓国は北朝鮮とだけ戦っていればよく、
その他の国には干渉しないで頂きたいです。
ただ、韓国がどさくさに紛れ日本に対して攻撃してくる可能性が高いので
日本は韓国の動きにも注意が必要だと思います。
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