記事入力 : 2021/12/27 10:30
元在韓米軍司令官「韓国の軍事力はかなり見劣り…終戦宣言で何を得たいというのか」
前職と現職の在韓米軍司令官、文在寅政権に相次いで苦言
戦時作戦統制権移管に懸念-「ミサイル防衛システムの配備が先」
韓米連合訓練縮小への批判も-「米軍戦闘機と共に最後に訓練したのはいつか」
終戦宣言を巡る意見の食い違いが明確に-「宣言をしても北朝鮮の脅威は変わらない」
ロバート・エイブラムス元在韓米軍司令官兼韓米連合司令官は25日、米政府系放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで、韓国軍への戦時作戦統制権移管について「率直に言うと多くの点で問題がある」と述べた。エイブラムス氏は終戦宣言についても「終戦宣言をすることで何を得たいのか明確ではない」「最近の北朝鮮は明らかに核によって脅威となっている」と指摘した。先月初めにはポール・ラカメラ現司令官も戦時作戦統制権移管について「大部分の計画が当初の想定通りに進んでいない。すでに樹立された計画も調整して進めていくだろう」と述べたことから、「統制権移管は順調に進まないだろう」との見方もすでに浮上している。
カーティス・スカパロッティ氏やビンセント・ブルックス氏ら他の元在韓米軍司令官らも最近相次いで終戦宣言や韓米訓練について「意を決した発言」をしている。北朝鮮が核保有の意思を明確にし、韓国と在韓米軍を狙った極超音速ミサイルなど新たな兵器を次々と開発しているにもかかわらず、韓国政府が「希望的思考」に陥り終戦宣言などに執着していることへの不満を表出したようだ。
■「韓国の戦略打撃能力、ミサイル防衛システムはいずれも不十分」
2018年11月から今年7月まで在韓米軍を指揮したエイブラムス元司令官は戦時作戦統制権移管について「ある人たちは簡単な方法を望み、両国による合意の基準を引き下げようとしている」と述べた。韓米両国は2015年、統制権移管に向け韓国軍が充足すべき条件について合意に至った。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権が文大統領の任期中の移管という公約を実現させるため、これらの条件の変更を試みた可能性を示唆したのだ。
エイブラムス元司令官は統制権移管条件の一つとして「韓国が戦略打撃能力を獲得し、韓国型統合空中ミサイル防衛システムを開発して配備しなければならない」としているが、これについて「率直に言ってかなり見劣りする」と発言した。「北朝鮮の核ミサイル攻撃を独自に阻止する能力がない韓国軍に戦時中の指揮を任せるのは困難」という趣旨のようだ。ブルックス元司令官も今年7月に米国の外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」への寄稿で「統合航空ミサイル防衛システムや指揮統制システムの近代化といった『ホット・イシュー(最新の話題)』はポピュリズム的民族主義政治に弱いだろう」と指摘し、「ミサイル防衛」を韓米同盟の主要なイシューとして取り上げたことがある。
■終戦宣言をしてもしなくても北朝鮮の脅威は変わらない
終戦宣言問題についてもエイブラムス元司令官は「これを性急に行った場合、『戦争が終われば国連軍司令部はもはや必要ないのでは?』との主張が出るかもしれない」と警告した。エイブラムス元司令官はさらに「われわれは非核化に向けて一歩も前進できていない。今の北朝鮮は明らかに核で脅迫している」と指摘した。「北核の根本的な脅威に全く変化がないにもかかわらず、国連軍司令部解体の口実となる終戦宣言をあえて行うべき理由が分からない」という意味だ。
2013年10月から16年4月まで在韓米軍を指揮したスカパロッティ元司令官も今年10月、韓米同盟財団と在韓米軍戦友会が主催した懇談会で「終戦宣言をしてもしなくても北朝鮮の脅威は変わらない」と発言している。スカパロッティ元司令官はさらに「われわれの責任は大韓民国を、国民を守ることだ。これを忘れてはならない」と強調した。ジェームズ・サーマン元司令官も終戦宣言について「単なる政治的な勝利を得るために急いではならない」と指摘した。南北関係のレガシー(遺産)を残したがっている文在寅政権の「前のめり」を警告したのだ。
■「北核の脅威増大に対抗するためさらに連合訓練を」
エイブラムス元司令官はVOAとのインタビューで「一つ質問したい。米空母打撃団が韓国の領海や韓半島周辺に来るのを最後に見た、あるいは聞いたのはいつか? 米国の第5世代戦闘機が韓国の領空で訓練を行ったのを最後に見たのはいつか?」と述べた。2018年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談以降、縮小を続けた韓米連合訓練の再開に向けた議論を始めるべきという趣旨だ。エイブラムス元司令官は現職のときも「コンピューターゲーム化」する連合訓練について何度も懸念を表明した。「平時に継続して汗を流さなければ、有事に血を流すことはできない」(今年5月13日の韓米同盟財団歓送行事)という意味だ。
今年8月に開催された下半期の連合訓練もコンピューターシミュレーション方式の指揮所演習(CPX)として行われ、実際に兵力を動かす師団級(海軍は艦隊級、空軍は飛行団級)以下の部隊参加は最小限となった。陸海空軍と海兵隊から合同参謀本部に派遣された人員は通常訓練の12分の1レベルだった。これについてスカパロッティ元司令官も先月末に開催された「韓米同盟未来平和カンファレンス」で「最近の韓米連合訓練の状態を懸念している」「最近になって北朝鮮の核・ミサイルの脅威は増大しているが、これに合わせてより厳格な基準で訓練を行うべきだ」と主張した。
バーウェル・ベル元司令官は米国メディアとのインタビューで「同盟の軍事準備態勢を北朝鮮との潜在的かつ短期的な関係改善に向けた政治的な道具としてはならない」と指摘した。ブルックス元司令官も先日開催された安保フォーラムで「連合訓練をしない場合、これは手術のやり方は知っているが7-8年全く手術できなかった外科医のようだ」と説明した。ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員
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文在寅大統領が掲げる終戦宣言のため、
最近は米韓軍事演習も規模を大きく縮小しており
北朝鮮の顔色をうかがっている状況です。
韓国経済破綻 → 軍事クーデター → 南北統一
という流れもありかと思います。
日本の国防はこのような事態にも対処できるよう準備が必要です。
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